2009年1月27日 (火)

追悼 笹井宏之さん

 歌人の笹井宏之さん(本名・筒井宏之)が、24日に亡くなられた。 2005年に第4回歌葉新人賞、07年に未来賞を受賞。08年には第1歌集「ひとさらい」を刊行された。

 笹井さんとの繋がりは、題詠100首blogや地元の佐賀新聞の投稿でご一緒している程度だが、去年の5月に開催された「ひとさらい」の批評会でお会いした。笹井さんのネット短歌や「ひとさらい」にも好きな歌がたくさんあるが、私は佐賀新聞に筒井宏之で投稿している作品が好きだった。もう筒井さんの歌が読めなくなると思うと、、、。まだ信じられない。一月十五日の佐賀新聞塘健選一席の作品

・初春(はつはる)のよろこびなしと言ふひとへ迎へらるるがよろこびと説く

塘先生の評

さて読者の皆さんは、年頭にいかなる感慨を抱かれたことだらう。「お迎へ・死」がよろこびであるのは、たとへば「名は美膏(よきあぶら)にまさり、死ぬる日はあるる日にまさる 旧約、伝導之書」など類想は無数にある。「死」あるゆゑに、人間は生きてゐられるのだ。

一月八日池田千歳選秀作

・歳月の手形のやうに額を吹く風、その風に手を合はせたり

去年の五月の角田紀美子選一席

・葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある

この歌も好きな一首だ。

批評会の時に穂村弘さんと笹井宏之さんと一緒に写した写真の笹井さんの笑顔がまぶしい。あれだけの才能をもちながら、こんなに早く逝かれたことが惜しまれてならない。

歌集「ひとさらい」より

・内蔵のひとつが桃であることのかなしみ抱いて一夜を明かす

・ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす

こころからご冥福をお祈りいたします。

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